2014年度

第21回
日時 1月9日(金) 16:30~18:00
講演者 生駒 典久 氏 (東北大学)
タイトル Riemann 多様体上における Willmore torus 型曲面の存在
概要   Euclid空間上では,Willmore 汎関数の最小元は球面で与えられ,種数1の曲面に制限すれば Clifford torus が最小元となることが知られている.したがってこれらの曲面は Willmore 汎関数の臨界点となる.
  本講演では,3次元 Riemann 多様体上において Willmore 汎関数を考え,曲面積を一定に保つ曲面の変形に対し,停留点となる曲面の存在について考察をする.曲面としては種数1のものを扱い, Riemann 多様体の Ricci テンソルと scalar 曲率に対してある条件を課せば,曲面積の非常に小さな torus 型の臨界点が存在することを示す.
  なお本講演は SISSA の A. Malchiodi 氏と ETH の A. Mondino 氏との 共同研究に基づく.
場所 コロキウム3 (自然科学5号館471)


第20回
日時 12月12日(金) 16:30~18:00
講演者 二宮 広和 氏 (明治大学)
タイトル 1次元および2次元興奮場における進行パルス解とその応用
概要   1次元および2次元の興奮場のダイナミクスを考えるために特異極限法を用いて簡単化する.特異極限の取り方はいくつか考えられるが,興奮場のダイナミクスをあまり失わない程度に簡単になるようにし,界面方程式と場の方程式の系を導出する.空間1次元の場合,この系の解の挙動は,パルス解が衝突して消滅し,だんだんと簡単になっていき,最終的には,パルス解とフロント解だけで表されることを説明する.2次元空間においては,解の存在も一般にはまだ知られていないが,特殊な状況では,解の存在を示すことができる.その状況下で,進行スポット解の存在や心室細動問題に見られるようなスパイラルの自発的形成のメカニズムを説明する.
場所 コロキウム3 (自然科学5号館471)


第19回
日時 11月28日(金) 16:30~18:00
講演者 小薗 英雄 氏 (早稲田大学)
タイトル Large solutions and their stability of the stationary Navier-Stokes equations in 3D multi-connected domains
概要   In 3D multi-connected domains, it is still an open question whether there does exist a solution of the stationary Navier-Stokes equations with the inhomogeneous boundary data whose total flux is zero. The relation between the nonlinear structure of the equations and the topological invariance of the domain plays an important role for solvability of this problem.
  In the first part, We prove that if the harmonic part of solenoidal extensions of the given boundary data is almost orthogonal to the pressure gradient associated with non-trivial solutions of the Euler equations, then there exists at least one weak solution. The relation between Leary-Fujita's inequality and the topological invariance of the domain type is also clarified.
  In the second part, we show an exponentially stability in L2 provided such solutions are close to some solenoidal extension in L3. It should be noted that we need neither smallness of the stationary solutions nor that of the initial disturbance in L2. Our results are based on the joint work with Prof. Yanagisawa in the first part and Profs. Okabe-Kambayashi, respectively.
場所 コロキウム3 (自然科学5号館471)


第18回
日時 11月5日(水) 16:30~18:00 ※通常と曜日が異なります
講演者 相木 雅次 氏 (東京理科大学)
タイトル Motion of a Vortex Filament in an External Flow
概要   In this talk, we consider the motion of a vortex ring under the influence of external flow. This can be seen as an idealization of the motion of a bubble ring traveling through water, where environmental flow is also present.
  The motion is described as an initial value problem posed on the one-dimensional torus for a closed vortex filament. The equation of motion is a nonlinear dispersive type equation and is an extension of the Localized Induction Equation (LIE). The LIE is one of the most oldest and fundamental model equation describing the motion of a vortex filament, and the equation we consider in this talk is a generalization of the LIE which takes into account the presence of external flow. The time-local solvability of the initial value problem will be presented, focusing on the derivation of energy estimates needed in order to prove the solvability.
場所 コロキウム3 (自然科学5号館471)


第17回
日時 7月25日(金) 16:30~18:00
講演者 加須栄 篤 氏 (金沢大学)
タイトル 線形抵抗ネットワークの倉持境界
概要 線形抵抗無限ネットワークの倉持コンパクト化を考える.このコンパクト化において,調和関数,より一般にポアソン方程式の解に対するディリクレ境界値問題やノイマン境界値問題が可解である.これにより,特に倉持境界自身が調和測度をもったコンパクトディリクレ空間であることがわかるが,さらにネットワークの内部の増大する有界領域の境界がなす有限ディリクレ空間(有限ネットワーク)の極限空間となっている.ここで考える収束は,測度収束およびMosco収束に関する位相である.
場所 コロキウム3 (自然科学5号館471)


第16回
日時 6月27日(金) 15:00~18:00 ※90分講演が2つ行われます
講演者 相川 弘明 氏 (北海道大学)
タイトル Intrinsic ultracontractivity via capacitary width
概要   Dirichlet境界条件を持った熱方程式の半群に対する性質としてIntrinsic ultracontractivity(IU)がDavies-Simon(1984)により導入された.IUは数々の興味深い性質を持つとともに,きわめて複雑な領域に対しても成り立つ.例えばグラフで表される有界領域はIU をみたす.グラフには連続性さえ必要でない.IUは対数ソボレフ不等式や確率論を使って証明されて来たが,ここでは,比較原理を繰り返し用いる放物型箱議論によって,Green関数のlevel setの「容量的幅」による十分条件を与える.領域に条件を付けると容量的幅をより具体的な量で評価することができ,既存の結果を改良することができる.
講演者 宮西 吉久氏 (大阪大学)
タイトル Low energy approximations for Feynman path integrals
概要   We shall define the oscillatory integrals by action integrals, Van Vleck determinant and Dewitt curvature. Our method employs action integrals along the shortest paths. We have the strong but not uniform convergence of time slicing Feynman path integrals for low energy functions.
場所 コロキウム3 (自然科学5号館471)


第15回
日時 5月29日(木)13:00~5月31日(土)12:40
概要 ハミルトン力学系セミナーとの共催で,研究集会として行います.プログラム等の詳細はハミルトン力学系セミナーのWEBサイトにあります.
場所 金沢大学サテライト・プラザ 3階集会室
(金沢市西町三番丁16番地 金沢市西町教育研修館内)


第14回
日時 5月9日(金) 16:30~18:30 ※60分講演が2つ行われます
講演者 和田出 秀光 氏 (金沢大学)
タイトル 全空間におけるTrudinger-Moser型不等式に付随した最大化問題について
概要 Trudinger-Moserの不等式は,Trudinger及びMoserによって示された臨界Sobolev空間に属する関数の指数型可積分性を保証するSobolevの不等式の一種である.同不等式は、有界領域のものから全空間上の不等式へと拡張されているが,スケール不変性をもつ不等式ともたない不等式の二種類が知られている.本講演では,こららの全空間におけるTrudinger-Moser型不等式に付随する最大化問題を考察し,スケール不変性の有無と最大化関数の存在,非存在の関係性について得られた結果を紹介したい.なお,これらの結果は山形大学の中村誠氏,大阪大学の石渡通徳氏との共同研究に基づくものである.
講演者 蚊戸 宣幸 氏 (金沢大学)
タイトル 空間拡散のあるサイズ構造化個体群モデルについて
概要 植物や魚などの個体群のダイナミクスを記述するためにサイズは重要な変数である.また生物の生息域を考えると空間的な広がりも考慮する必要がある.そこで,空間拡散のあるサイズ構造化個体群動態モデルについて考える.まず線形のモデル方程式を考え,それをバナッハ空間における偏微分方程式として捉える.mild solutionを定義して,その一意存在,正値性などについて話す.次に出生率や死亡率が総個体数に依存する非線形問題についても触れる.
場所 コロキウム3 (自然科学5号館471)


第13回
日時 4月24日(木) 16:30~18:00 ※通常と曜日が異なります
講演者 山浦 義彦 氏 (日本大学)
タイトル 自由境界問題とそのエネルギー勾配流について
概要 1980年代に Alt と Caffarelli により, 変分問題の枠組みで自由境界問題が定式化され, その正則性が解決されました. この問題に対する時間発展問題は Caffarelli と Vázquez によって扱われており, そこでは解が "shrink" するような初期条件に対する解の正則性が議論されています. 本研究では, 局所正則性解析(Discrete Morse Flow 法)による正則な Minimizing movement の構成, および, それと Gradient Flow の関係を説明します.
場所 コロキウム3 (自然科学5号館471)


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